静かに育つツバキの種。彼女は約束通りに咲いた無限世界を手のひらに乗せ、小さな赤い蔓を指先に絡ませた。
 砂を心臓にすり合わせているかのようなかすかな痛み、それこそが互いの出会った証となった。